学校一のモテ男といきなり同居
それは、小さな男の子と遊ぶ家族の写真だった。



その小さな子は、郁実によく似ている。



……もしかして、これって郁実の小さい頃の写真?



パパであろう男の人も、なんとなく郁実に似ている。











明日おじさんと話すにあたって、昔の写真を見て思い出に浸ってたのかな。



郁実は反発してるけど……きっとお父さんのことが好きなんだよね。



……白雪ちゃんのいうとおり、明日郁実を連れて行ったら、



きっとすぐにでもデビューできるのかもしれない。



そして、白雪ちゃんもお父さんに怒られなくてすむ。



あたしは……



白雪ちゃんの親友……なんだよね。



だから、裏切るようなことをしちゃいけない。



わかってはいるけど、どうしても納得がいかない。



だってあたしは、



白雪ちゃんの友達である前に、郁実の彼女だから……。



どうしても、郁実の気持ちを最優先に考えてしまう。



友達より、彼氏優先。



そんなことをしたら、白雪ちゃんに何を言われるかわかったもんじゃないし、



きっと周りに軽蔑されると思う。



それでも……



あたしはやっぱり、



郁実を騙してまで、白雪ちゃんのところへ連れて行く気にはなれないよ。



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