学校一のモテ男といきなり同居
「…どした?」


優しく髪を撫でられる感触に、思わず目を閉じる。


「……おじさんが、退学届を学校に出したって聞いたの」


「親父が?アイツ、強硬策にでやがったな。それ、誰から聞いた?」


信じられないといった風に、その場でガバッと勢い良く起き上がる。


「今朝…学園長から」


「だから、遅かったのか…だけど、なんで真央に?」


「あたしに、辞めるように郁実を説得して欲しいって。

そうじゃなきゃ、郁実が芸能活動できないように悪い噂を流すって…」
 

「学園長がそんなこと言ってた!?なんで…」


「今までの生活態度が目に余ってた…から、学園から出て行って欲しいみたい」


心苦しいけど、言わなきゃ。


今あたしにできるのは、真実を伝えること。


結果、判断するのは…郁実なんだから。







ショックを受けたらしく、郁実は唇を噛んで俯いてしまった。


そんな郁実の背中を、軽くさする。


「あたし…ホントは黙ってようと思ってたの。それが郁実のためだって、思った。

だけど郁実と話してたら、それは違うんだなって思った」


「…………」


「一緒に、考えよう?きっと、一番いい方法があるはず」


ギュッと、手を握り締める。


「……めてやるよ」



「…え?」



「あんな学校、こっちからやめてやる。何が感謝状だよ!!

我が校の誇りだとか、適当なこと並べやがって!フざけんな!!」


怒りに任せて布団を振り回した勢いで、


あたしの体は弾き飛ばされる。


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