学校一のモテ男といきなり同居
「どうして覚えてないのよっ!!女の子らしくなったら、ずっとあたしだけを守ってくれるって言ったよね!?」



「んー……ああ、言った……かな」



郁実っ、そんな約束してたんだ!?



今までの郁実はチャラかったし、女の子なら誰にでもそういうこと言ってたんだって思うと、やっぱりショック。



「だからあたし、頑張って自分を磨いたの。再会したとき、キレイになったなって言ってくれたじゃない!!

あたし……期待した。チャラいけど、本命はあたしなんだって……ずっと、思ってた」



「なんでそーなる?お前が、キレイになったでしょって自分から言うから、社交辞令でうんっつっただけじゃん。そんぐらいのリップサービスでマジになんな」



つっ……冷たい。



そうは思うけど、それだけ白雪ちゃんに興味なかったってことだよね……。



「ひどい!!本気にしたのに……」



「それに、守るって言ったのは……ガキの頃の、鬼ごっこの話だろ?そんな、昔のこと引っ張り出されてもなー」



おっ、鬼ごっこ!?



唖然とするけど、白雪ちゃんはマジ。










「違うってば!!守ってって言ったら、女の子として大切にしてっていう意味に決まってるでしょ!?どうしてあんたってそうなの?」




「お前こそ。俺らってそーいう関係だった?鬼ごっことのとき、俺ばっかイジメ倒して笑ってただろ。

お前を守ることなんて、一生ないって思ってたよ。なのに、なんだよ今さら」



「あれはっ……好きの裏返しで……」



「ランドセルの中に、いつの間にか蛇の死骸を入れられてたり?下校時に、不意打ちで後ろからドついて倒したり?

お前のせいで、生傷絶えなかったっつの。わかるか?テメーが俺のトラウマだ」




「なっ……」



白雪ちゃんは真っ赤になって、わなわなと震えている。



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