学校一のモテ男といきなり同居
そんな姿を見て、胸が痛くなった。



あたしの……せい、なのかな。




あたしが郁実を好きにならなかったら…



白雪ちゃんは、もしかして今頃郁実に受けいれられてた?



罪悪感に苛まれていると、郁実は白雪ちゃんから手を離した。









「ゴメン……さっきも言ったけど、俺はお前のことそういう風にみれない。1度できた溝って、なかなか埋まらないんだぜ?」



「そんな……」



「白雪が今まで俺に近づいた女友達にしてきたこと、噂で色々聞いてる。それに、真央にしたことだってそうだろ。

お前、見ためは変わったけどさ……根は変わってないじゃん。イジメっこの、ままなんだよ」



「違っ……」



「真央のことで、何度も目ぇつぶってきたけど……今回のことは、マジでキれそー」



郁実が拳を振り上げると、白雪ちゃんが身を縮こまらせる。



「きゃっ……」



「郁実、やめて!?」



あたしが止めようとすると、振り返った郁実は拳を下ろして笑っていた。



「わかってる。ホントは殴ってやりたいけど……そうしたら、俺も白雪と同じだから。

力関係が明らかな相手に対して、攻撃を加えるってフェアじゃないよな」



ホッ……よかった……。



安心していると、郁実が白雪ちゃんの右手を両手で握った。



……えっ?



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