学校一のモテ男といきなり同居
「俺のせいだっていうなら、俺を殴れば?だけど、もうそれで全てチャラにしてくれ。今後、俺らに関わらないでくれ。頼む、この通りだ……」



深々と頭を下げる郁実を見て、あたしも慌てて頭を下げた。



握っているように見えた郁実の手は、



白雪ちゃんの右手を、グーの形にしただけだった。











「なんなのよ……ホンッと最悪。郁実のバカッ!!二度とあたしの前に顔見せんなっ!!」



――バキッ!!



ウソ……。



白雪ちゃん、ホントに郁実を殴っちゃった……。



大振りだったし、女の子の殴り方にしてはかなり強烈。



さすがに吹っ飛びはしなかったけど、郁実は頬を押さえて目を閉じている。



「だっ……大丈夫!?」



郁実に触れようとしたら、手で制された。



「触んなよ、大丈夫だって…女に殴られて、痛がるとか情けないっつの」



ホントに平気なの?



大丈夫って言う割には、かなり痛そうだよ。



そして白雪ちゃんは、相変わらず郁実をニラみつけている。



郁実が白雪ちゃんの方へ一歩出ると、焦って後ずさっている。



「殴りかえす気!?」



「まだまだ。何回でも、気のすむまで殴っていーよ」



「なんなの!?ムカつくなら、やり返せばいいじゃない!それともそんなツラそうな顔して、同情されたいの?」



「バーカ、違うし。お前の痛みを…わかろうとしてる」



「……えっ」



< 631 / 978 >

この作品をシェア

pagetop