学校一のモテ男といきなり同居
「真央~、まおまおっ。郁実のおじさんから、ウチに送られてきた写真だよ。見る?」


ドキッ。


「見たい!」


手をのばしたら、となりにいた友ちゃんに阻止されてしまった。


「白雪!余計なことしないで。せっかく真央が郁実くんのことを忘れようとしてるのに」



忘れるなんて……そんなこと、あたしにはできないよ。



何も言えないでいると、白雪ちゃんが強引にあたしの前にやってくる。



「別に忘れなくてもいーじゃない。ねっ?側にいなくても、見るだけで目の保養になる。いってみれば、アイドルみたいなもんでしょ?

見て~、この写真マジでカッコいいんだってば!!」










アイドルって…。



白雪ちゃんにとって、郁実ってそういう存在だったのかな。



側にいなくても、見るだけで満足なんてできないよ。



郁実の話題が出る度に、会いたくなる。



またあの頃のように一緒に学校に通って、



そして、また…一緒に住みたいって思ってしまう。



そんなの、



全然ムリな話なんだけど。





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