学校一のモテ男といきなり同居
気付くと、お風呂で寝ちゃってた。



まだお湯が温かいから、そんなに時間は経っていないみたい。



急いでお風呂から上がり、自分の部屋に戻った。



もう空が白んでいて、朝を告げるかのように外から小鳥のさえずりが聞こえてくる。



早く寝ないと……って思うのに、寝れない。



あたしは寝るのを諦め、前に郁実が使っていた部屋に入ることにした。



郁実の部屋は、今は客間になっている。



といっても、お客さんが泊まることなんてめったにないから、



実質、1年前のまま。



郁実の私物こそないけれど、レイアウトも変わっていないし、



またフラッと郁実が戻ってきそうな気さえする。



だから……



全然実感がわかないのかな。













郁実が毎日寝ていたベッドに、そっと入りこんでみた。



ここで…



初めて、一緒に寝たんだよね。



今思えば、かなり大胆なことをしたと思う。



それでも、



あのふたりっきりの夜は、大切な思い出。



郁実と繋いだ手の温もりを…



あたしは一生忘れない。



次にまた会えるのは、いつなのかな。



それが遠い未来だとしても、



きっとまた必ず会えるから。



あたしの元に、



早く郁実が戻ってくるといいな。



そして、できることなら…



また、



ここで一緒に住めればいいのにな……。



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