学校一のモテ男といきなり同居
結局、アルバムを閉じて、早めに家を出ることにした。



電車に乗って、昨日買った雑誌をカバンの中から取りだす。



片手に吊革、片手に雑誌を持ち、スポーツ飲料の広告ページを開く。



ジッと見ていると、カーブにさしかかったところで足元がフラついた。




「……きゃっ」



――バサバサッ。



雑誌が下に落ち、あたしも危うく吊革から手を離すところだった。



だけど間一髪、



誰かに抱きとめられた。










――ドキッ。



あたしのピンチにいつも現れるのは……



郁実!?



慌てつつも、ほのかな期待を胸に抱く。



だけど頭上から聞こえてきたのは…。



「三沢さん、立って雑誌読んだら危ないよ!?」



「くっ……草野くん、どうしてここに?」



ありがとうを言うより前に、



思わず聞いてしまった。



だって、今まで一度も同じ車両に乗ってたことなんて、なかった気がするから。



…といっても、



ただあたしが気付いてなかっただけかもしれないけど。



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