学校一のモテ男といきなり同居
「大丈夫だよ……きっと、ミキオくんの思い…白雪ちゃんに通じると思うよ」




「…………」




「頑張って」




「……だな。頑張ってみる」




ミキオくん、やる気になったのか拳を握って頷いている。




よかった…と思ったのも束の間。




突然、嫌な話題を切り出された。














「で、真央先輩は…新しい男に心を許してるんだ?」




ドキッ!



それは、草野くんのこと?




「新しいって……あたしは別に」




「悪い意味で言ってるんじゃなく。今朝も一緒に登校してたし、やっぱ、好きって言い続けられたら…気になってくる?」




「だから、そんなんじゃないから……」




「だったら、矛盾してる。俺には励ますように言って、やっぱムリなんじゃん」




えー、もう…どうしよう。




「好意を持たれて嬉しいけど…やっぱり、郁実を裏切ってる気がするの。あたしのそれと、白雪ちゃんのとは違うでしょ?

だからミキオくんが、白雪ちゃんの新しい王子様になって」




「王子って……ハハハ」




照れ笑いしているけど、なんだかとっても嬉しそう。




今日会ってからは怖い顔の方が多かったミキオくんも、



今ではすっかり、恋のパワーで笑顔炸裂。



恋をすると……、



人の表情って豊かになるよね。





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