学校一のモテ男といきなり同居
「鼻血って……草野くん、なに考えてるの?」



「もー、大好きだからさ。今も俺のベッドで寝てるとか、嬉しすぎてやばい」




「えっ!!草野くんのベッドなの!?」




予想はしていたはずなのに、それが確信に変わって驚きを隠せない。




やっぱり、ベッドから出なきゃ。




慌てて起きあがると、草野くんに止められた。




「寝てなさい!」




唇を尖らせ、指をさされる。




「なんだか、先生みたい…」




「そーか?彼氏のつもりだけど」




「彼氏って…」




苦笑いをしていると、草野くんもハハッと笑った。




「困るよな、そんなの。井上っていう、立派な彼氏がいるもんな……」




「……ごめんなさい」




頭を下げると、草野くんが首を横に振る。




「わかってることだし。それなのに、俺が追い詰めた……ごめんな」




「そんな、草野くんのせいじゃないよ。むしろ、安心した……あたしのこと、受け止めようとしてくれたし……」




「いや、三沢さんのこと…なにも知らないから言えただけなのかも。力不足で悔しいよ。

しかもまさかあんな状態になるなんて……」



「びっくりさせたよね……」



「俺はいいよ。そうだ!三沢さんの気絶したところを救ったのは、これで2回目だね。ちょっとは恩を感じてくれる?」




草野くんは得意げに笑い、ベッドの脇に腰をおろした。




だけど恩着せがましい感じではなくて、あくまで爽やか。



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