学校一のモテ男といきなり同居
再び雑誌を開いて、続きを読む。



そして、最後の質問のところまできた。




「今までで、一番大切な思い出は?」




あたしとのことならいいな……。




そう思いつつ、答えの欄に視線を移す。




「一時期、知り合いの家に居候をしている時期があって。

そのとき、自分の歌を、信頼している人に聞いてもらえたこと。人生のうちで、最高に幸せな思い出です」




って書いてあった。












あのときのことだ……。




郁実が、弾き語りをしてくれて……。




あたし、すっごく感動したんだよね。




このことは、友ちゃんにしか話してなくて。




色んなことがありすぎて、




こんなことがあったことを、あたしはすっかり忘れてしまっていた。




あたしの中で一番の思い出は、




ストーカーを退治してくれた、あの夜明けまでのことだよ。




郁実の存在が、




あたしにとってホントに大きいモノで、




かけがえのない人だって……




そう、実感したんだ。



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