学校一のモテ男といきなり同居
「今日はホントにありがとう。美術のときに引き続き、また迷惑かけちゃった」



「迷惑だなんて。三沢さんのことが、心配なだけ。だけど、今日は幸せそうな笑顔が見れたから、俺も嬉しいよ」




「もしかして…今日付き合ってって言ってたのは、この雑誌のこと?」




「そ。雑誌見ながら、10分だけでも三沢さんと話したかっただけなんだ。下心アリだよ」




クスッと笑っている。




「下心だなんて…そんな言い方、草野くんに似合わないよ。ありがとう……草野くんがいてくれて、よかった」




「そのまま、好きにシフトしないかなー」




「え……と、それは……」




「冗談だよ。俺が勝手に好きでいるだけだから。だけど忘れないで」




草野くんが、あたしとの距離を少し縮めた。




そして、その強い眼差しに射抜かれる。




「今度ツラいと思ったときは、すぐに会えない彼氏じゃなくて……側にいる、俺に頼れよ」




ドキッ……。












今まで丁寧な話し方をしていた草野くんだけに、




強引な物言いや素振りに、胸がキュンとした。




男らしい面を見せられて、そして女の子扱いをされたことが、なんだか気恥ずかしい。




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