学校一のモテ男といきなり同居
「タッチして、また気絶されたら困るから…やめておこうかな」



残念そうに笑う草野くんを見て、胸が痛む。



あたしの意識しないところで過剰反応してしまうから、なんとも言えないのがツラいところ。




「気を遣ってくれて、ありがとう…頑張って早く克服するね」




「そんな無理しないで、俺は大丈夫だから。それより、お母さんが待ってるよ」




「そうだった。急がなきゃ」




もう一度お礼を言って、玄関まで急ぐ。




すると、ホントにお母さんが迎えに来ていた。




「真央、もう大丈夫なの?」




「うん。草野くんのおかげでこのとおり」



笑ってみせると、お母さんもホッとした顔をみせる。




「よかった……しばらく発作も起きてなかったのに、どうして急に?」




「それは……」



ここまで連れてきてくれたし、草野くんのせいだとは言いにくい。








「電車で、おじさんとぶつかったの。それで…」



「そう……。草野くん、今日はホントにありがとう。助かりました」



お母さんはそれで納得したのか、細かくは聞いてこなかった。



そしてお母さんが運転する車に乗って、家まで帰ることになった。



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