学校一のモテ男といきなり同居
「どれだけ眺めてても、飽きないな……三沢さんって、ホントに綺麗だよね」




ゾクッ。




ドキッとする場面なの?




それなのに、ちょっと怖かった。




どうしてかな……。




あたし、本格的な男性恐怖症になってしまったのかもしれない。




「綺麗じゃないよ。あんまり見ないでね。純粋に、描いてください…」




そういう目で見られてるって思うと、緊張してくる。




「俺はいつだって純粋な気持ちで三沢さんのことを見てるよ。アイツみたいに、ズルくない」




「え……アイツって……」




一瞬、耳を疑った。














「ストーカーだよ……三沢さんにひどいことをした」




てっきり郁実のことだと思ったから、驚いた。




しかも、ストーカーっていう単語が出てきて、また恐怖が少しよみがえってくる。




昨日みたいに、また倒れるわけにはいかない。




「草野くん、その話は…もう、やめよ?」




「ハハハ、そうだね。また倒れたら大変だ」




ここは笑い話で終わったけど、心の中にまだしこりが残っていた。




今朝、草野くんと弾んだ会話も、




お互い疲れているからか、放課後は口数が少ない。




静かな美術室で、ボーッとするだけの時間を与えられたあたしは、




必然的に何かを考えるしかなかった。



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