学校一のモテ男といきなり同居
としたけど、すぐに自分を戒めるように手を握りしめた。




そして話をはぐらかすように、別の話題を振る。




「あっ……え、と。先に寝ていいよ?」




「そう?それなら、お言葉に甘えて…」




すんなり納得してくれたから、ホッとした。




さっきのこと、掘り下げられたらどうしようかと思っちゃった。




今日はあたしはソファで寝ようかな…。




嫌じゃなければ、シーツだけを変えて草野くんにはあたしのベッドで寝てもらうことにしよう。




郁実が使っていたベッドが空いてるけど…




そこは、草野くんを入れちゃいけない領域のような気がする。



だって、そこまでしたら…



郁実のいた場所が、草野くんの記憶で全て塗り替えられてしまう……。












「こっちだよ」



階段をのぼり、2階へ案内する。




そうだ、洗濯機のカゴに制服を置いたままだった。




スカートがシワになっちゃう。




いったん戻ろうとしたとき、草野くんが郁実が使っていた部屋を、躊躇なく開いた。




そして、訝しげにあたしを見てくる。




「この部屋……まだ、井上がいたときのままなの?」




「え……」



「ここに泊まるの、気が引けるな」




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