学校一のモテ男といきなり同居
苦笑いをしている草野くんに、あたしの顔も苦笑いになっていたはず。




「今日はあたしの部屋でもいい?シーツは変えるから」




「えっ!だったら三沢さんはどこで寝るわけ?」




「あたしは下のソファで……」




「そんなのダメだろ。俺が下で寝るよ」




「それこそダメだよ。草野くんはお客さんだもん」




しばらく押し問答をしたあと、結局草野くんに押し切られて、1階のソファに草野くんが。




そしてあたしは、自分の部屋で寝ることになった。




お母さんが帰ってきたときに驚いたらいけないから、先に連絡しておいた。




そしたら案の定、お客様をソファで寝かせるなんて!って怒られたけど、草野くんがどうしてもっていうからと説明すると、なんとか納得してもらえた。











このシチュエーションも、




郁実のと同じー……。




確かあの日は、




あたしを心配して、夜明けまでずっと起きてくれてたんだよね……。




なんとも、郁実らしいというか、




遠回しな気の遣い方を、あたしはいつも気付くことができなかった。




ホントは優しいのに、そう見えなくて。




自分勝手に思えて、人一倍気遣いなアイツ。




今もどこかで、実は神経すり減らしてるのかな……。




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