学校一のモテ男といきなり同居
結局、カバンを預かるタイミングもないままクラスに着いてしまった。



ああ……どうしよう。



そう思っていたら。



別れて自分のクラスに入っていった草野くんが、先生に呼ばれた。



しかも、職員室に教材を取りに来るように言われているみたい。



……ラッキー!!



草野くんがカバンを机の横にかけ、クラスを出て廊下から姿を消したとたん、



あたしは草野くんの机へと走った。



そして誰かの目に留まる前に、カバンを抱えて女子トイレへと駆け込む。









「はあっ、はあっ、はあっ……」



ドキドキしたっ!!



こんなことして、バレたらただじゃすまないよね。



もしそうなれば、それなりの罰は受ける覚悟。



そうまでしても……



どうしても、確かめたいんだ……。



なければ、それで納得できる。



だけど、



もし……あったら……。



胸がギューっと痛くなる。



焦れば焦るほど、カバンのファスナーを掴む手が震える。



それでも思い切って、



ファスナーを開いた。




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