学校一のモテ男といきなり同居
「中川さんいる?」




1年生のクラスに行き、生徒手帳の主を呼びだしてもらった。




あたしの前に現れたのは、ハーフっぽい顔をした綺麗な子。




「あたしに何か……」




不安そうな顔つきで、あたしを見ている。




「これ、探してるよね」




生徒手帳を渡すと、中川さんはかなり驚いていた。




「ええっ!!どこでこれを!?」




「校庭に落ちてたの」




そう言うと、感激している。




「ありがとうございますっ。この間の朝、委員会に出ている間にカバンを誰かに隠されたんです。

カバンは放課後に見つかったんですけど、なぜか生徒手帳だけがなくて……」




「そうなんだ!?最近何か気味が悪いこととかない?」




「えっ?」




「誰かにつけられてるとか、部屋に誰かが入った形跡が残ってたり」




「そういえば、閉めてたはずのクローゼットがいつの間にか開いてたり、

2階にいるときに人が歩く音が1階からしたり。怪奇現象かと思って怖くて……」




「やっぱり!!」




「ええっ……それ、どういうことですか?」




「ううん、ありがと。また何かあったら教えて。あたし、3年の三沢っていうの」




「あ…はい。ありがとうございます」




名前を告げたあと、今度は3年のクラスへと向かう。




生徒手帳の持ち主は、あたしと同じ学年の子だ。




話したことはないけど、存在は知ってる。



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