学校一のモテ男といきなり同居
久しぶりの郁実は……
「そうだったんだ。真央、大変だったね……」
神妙な面持ちであたしを見つめる白雪ちゃん。
あのあと午前中の残りの授業を受けたあと、昼休みになり、
友ちゃんの提案もあって、白雪ちゃんに草野くんのことを相談することになった。
白雪ちゃんなら男の子の友達も多いし、何かわかるかなと思ったけど、
草野くんとは今まで接点がなかったみたいで、
美術で一緒になるってだけで、よく知らないみたい。
「誰かに草野のあとをつけさせてみようか?」
「う……ん。そうだね、あたしがやるとバレちゃうし…お願いできる?」
「全然いいよ。ミッキーに頼むかな」
「ミキオくんに?」
「アイツじゃダメか~。カッとなったら何するかわかんないし」
白雪ちゃんが、ケラケラと笑い飛ばしてる。
この調子だと、ミキオくんはあたしと話してから白雪ちゃんとの距離を縮められてないっぽい。
いい機会だから、何とかしてミキオくんの恋を応援しちゃおうかな…。
「お願いできる!?ミキオくんに…」
「もちろ~ん。すぐに連絡しておくね」
白雪ちゃんがケータイを手にとる。
少し離れた場所に移動して連絡をしてくれている間に、友ちゃんとコソコソ話。
「ミキオくん、白雪ちゃんのことが好きなんだって」
「えーっ、そうなの!?女、見る目ないね」
「もうっ、そんなこと言わないの!でね、協力したいなって思ってて」
「どっちでもいい~」
「そう言わないで。ミキオくんが草野くんの追跡をするときに、白雪ちゃんも一緒に行動してもらうの。名案だと思わない?」
「白雪、邪魔じゃん。バレたらどうするの?」
「ええっ、そんなことないよ…。バレても、白雪ちゃんとミキオくんがデートしてたことにすればいいし」
「う~ん…ま、いいんじゃない?とにかく、真央は無茶しないでよ。
今のところ草野くんって得体が知れないし、何されるかわかったもんじゃないから」
「わかってる」