学校一のモテ男といきなり同居
目の前の人物画は、あたしそのもので……



だけどそれは、



一糸まとわぬ姿。



靴を脱いで裸足になってと言われた意味が、



今、わかった。



これが芸術だ、と言われれば…そうなのかもしれない。



だけどあたしとしては、



自分がモデルになったものが、こういう形で公衆の面前にさらされる……



とてもじゃないけど、耐えられる気がしなかった。











草野くんに対する怒りを通り越して、悲しくなってくる。



あたしが男の人に対して警戒心を持っていることを知っているのに、



こんなことをするなんて……。



ひどいよ……ひどすぎる。



歯をくいしばり、元あった場所に戻そうとしたそのとき。




――カタン。



後ろで物音が聞こえた。




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