学校一のモテ男といきなり同居
「草野くん……あたし、モデルやめる……こんなの、無理だよ……」



「どうして?井上に会いたくないの?」



ハッ……そういえば、そもそもモデルになるきっかけになったのは、



郁実に会えるかもしれないって、



それが動機でもあったんだよね。



だけど…



自分の姿を、こんな形で郁実にさらしたくない……。



「うん、いいの。あたし、自分でなんとかするから」



「そう……わかったよ」



草野くんの目が一瞬冷たくなったのを感じたけど、



あたしはすぐ美術室を飛びだした。













「はあっ……はあっ……」



無我夢中で駅まで走る。



もう、何もかもが嫌。



どうしてこんなこと……。



郁実に連絡するのをずっと躊躇っていたけど……



今、すごく話したいよ。



駅のホームで電車を待つ間に、しばらく見ていなかった郁実の連絡先を開いた。



そして……



思い切って、電話をかけてみることにした。



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