学校一のモテ男といきなり同居
「大っ嫌い……バカぁ」




ギュッとしがみつくと、郁実の笑い声が頭上で響く。




「ハハッ!なんで第一声が、大っ嫌い?」




笑いながら、あたしの頭をなでる。




「あたしに心配ばかりかけて……そんな郁実、嫌いだよ」




「不安にさせて、ごめんな。気になることがあって……ずっと、それを調べてた」




「気になることって?」




「ストーカーは、ひとりじゃないって…思ってた。俺が絶対に、お前を守るって決めてたんだ」




郁実の胸から顔を上げると、こぼれそうに優しい笑顔がそこにあった。




ドキドキッ!




久しぶりの郁実との急接近に、胸のドキドキが止まらない。




そしてあたしは、それを隠すことができない。











「ホレなおした?お前……顔、ゆるんでるけど?」




すかさずそこをツっこまれ、一気に顔が熱くなった。




「やっ……なんで?別にニヤけてなんて、ないけど!?」




いや。



今のあたしは、完全にニヤけてる……!



自覚してるけど、素直になれない。



< 793 / 978 >

この作品をシェア

pagetop