学校一のモテ男といきなり同居
「それが……草野くん、だったの?」




「最初は、別のヤツだと思ってた。でも、調べてるうちに…つながった。お前、毎朝草野につけられてるの…気付かなかった?」




「えっ?」




「ハーッ、だから困るんだよな。アイツ、電車に乗らなくても学校に行ける距離なのに…わざわざ、3駅戻ってお前より前に乗ってたように、見せかけてる」




「ええっ!?そうだったの?」




「草野の家は、学校の近くの病院…そのすぐそばにある」




「あたし、草野くんの家に行ったことがあるけど…あれって学校の近くだったの?暗くてよくわからなかった」




「……は!?草野の家に行ったって、どーいうことだよ!?」















あっ…しまった。




関係ないところで、郁実を逆上させちゃったよ。




郁実は…あたしが倒れた日のことは、知らないんだね。




「草野くんと一緒にいるとき、たまたま発作がおきちゃって…で、気がついたら部屋に運ばれてたの。

だから、誤解しないで!?決して、遊びに行ったわけじゃないの」




「ったりめーだろ。俺がいないのをいいことに、イチャついてんじゃねーよ」




ムッとした顔でおでこを小突かれるけど、理不尽。




「だからイチャつくとか、そんなんじゃなくて」




「草野のこと、ちょっとでもいいって思ったことあったろ?」




ギクッ。




「それは、不安だったから……えっと、だけどスキとかそういうのじゃないの」




「おー、わかってる。とりあえず、説教は、あとにするか」




郁実は口の端を上げてニッと笑うと、あたしの前髪をかきあげるように、おでこをひと撫でする。




久々のその感覚に、またドキドキしてきちゃう。




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