学校一のモテ男といきなり同居
帰宅途中に自転車をこぎながら、



郁実はしきりにあくびをしている。



「ちゃんと前見てこいでよー。落としたら許さないんだから」




「落とさね~よ。俺はコケても、真央だけは全力で受けとめる」














嬉しい……けどっ。




「相変わらず、口だけは…」




あたしはやっぱり、反発してしまう。




「あん?振り落とされたいのかなー?」




なっ……なに、その挑発的な口調は!




「ひどい。今、全力で受けとめる的な発言したくせに!」




「振り落としても、全力で受けとめる。任せろ」




「意味不明なんですけどー」




「それだけ愛してるってことじゃん?」




「もっと、意味不明…」












帰る途中も、相変わらずのあたしたち。



けど、こんな時間が懐かしくも愛おしい。



あたしがあたしらしくいられる空間…



それが、郁実と過ごす時間であり、



あたしの貴重な、生活の一部なんだね。




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