学校一のモテ男といきなり同居
家に戻り、ふたりとも無言のままリビングへ。




このまま黙ってるわけにもいかないよね…。




と迷っていたら、最初に口火を切ったのは、郁実だった。




「風呂…」




「えっ?」




「風呂、入りたい」




「あっ…うん。沸かしなおすね」




郁実、このままお風呂で寝ちゃうんじゃないかな。




前もよくそんなことがあったよね。




懐かしく思いながら準備をして、リビングに戻ると…郁実の姿が見えなくなっていた。




……あれっ、どこに行ったの?











まさか…




このまま、またいなくなるの!?




「郁実っ……どこにいるの!?ねえっ」




お母さんたちが起きてくるかもしれないけど、



必死になって郁実を探していると、郁実がリビングに戻ってきた。




「…どうした?」




あたしを心配しているのか、郁実は少し険しい顔をしている。




「いなく……なったかと、思ったの……よかった……」




泣きそうになっていると、郁実があたしの側にやってきて、頭に手をポンと軽く乗せた。




「いなくならねーよ。これ…真央にやろーかと思って」




「え……?」




郁実があたしに差し出したのは、赤い表紙のアルバムっぽい小冊子。




「開けてみて」




嬉しそうに微笑む顔につられ、すぐにそれを開いた。



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