学校一のモテ男といきなり同居
部屋の中に入り、電気をつける。




昨日開けた場所に、草野くんの作品が入っていた。




もう見たくないし、すぐに燃やさなきゃ…そう思っていたら。




「貸せ」




「えっ……きゃーっ、やめて!!ヤダヤダ、見ないでーっ!!」




上からヒョイと、郁実に絵を奪いとられてしまった。




「これは俺が預かるな」




「やっ…絶対にイヤ!そんなの、郁実に見られたら……あたし……」




泣きそうになっていると、ギュッと抱き寄せられた。




「わかってる…見ないから。持ってるのも、ヤだろ?俺がすぐに捨ててきてやる」




「ホント…に?」




「ああ、焼却炉に入れてくる。さすがにその中を漁るヤツなんていないだろーし」




「ありがとう……」




郁実の胸に顔を埋めると、優しく頭を撫でてくる。




「嫌な気持ち、不安な気持ち……俺に委ねていーから。イライラするなら、あたってもいい…全部、俺にぶちまけろよ」




「郁実……」




郁実の優しさに、胸が熱くなった。



















「真央はすぐカッとなるから…一発殴っとく?」




「ちょっと、人を乱暴者みたいに言わないでくれる?」




さっきの言葉撤回!




せっかくいいヤツって思ったのに。




「ハハッ。殴られたら、100倍の愛情でお返しするから」




「ええっ、怖い」




「だろ?真央の中の、嬉しい、楽しい、悔しい、ムカつく…全部、俺で埋めて。あんなヤツが入る隙なんてないぐらい…俺のことだけ、考えてろ」




髪の中に手を入れて、すきながら指を絡ませる。




その手は次第に、首筋へ。




全身がゾクゾクする……。




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