学校一のモテ男といきなり同居
我に返って、その場から逃げたくなった。  



何も言わずに立ち去ろうとすると、女の子に手を掴まれた。

 

「待って!あなた、もしかして郁実の彼女!?」



「離してっ!!なんでもないの、間違ってこのビルに入ってきただけなの」



きゃー!やっぱりバレてる。



必死で逃げようとするも、全く手を離してくれる様子がない。

  

「真央ちゃんだよね、写真見せてもらったからわかるよ」



もう、こうなったら逃げても仕方ない!?



郁実の気持ちはよくわからないけど、あたしは郁実が好き。



この子も郁実が好きなら…逃げてないで、話し合うことも重要なのかも。



腹をくくり、女の子に向き直った。









「そうだよ…あなたの言う通りだよ。

郁実があなたとどういう関係なのか知らないけど…あたし、郁実のことが好きなの」



思い切って言ってみた。



あたしの言葉に、女の子は言葉を失っている。

 

逆上して、殴られたらどうしよう。



それでも気迫で負けないように、口を真一文字に結び、拳を作って目一杯握りしめた。



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