学校一のモテ男といきなり同居
「そう言われても、食ってきたんだって。明日は早く帰ってくるから、楽しみにしてる」




茶髪の男の子は、そう言いながらテーブルに並べられた料理を見る。




「明日は来ません!」




っていうか、あたし寮母さんじゃないし。




「え、明日来ねーの!?マジかよ!!これ、ウマいのに!!」




イケメンさんが箸を握りしめながら、明らかにガッカリしている。




そんな顔されても、困っちゃうよ…。










あたしは、こんなことしてる場合じゃない。




郁実に会いに来たのに、なにしてるんだろう…。




「明日も来いよー。俺、事務所辞めようと思ってたけど思い留まった」




茶髪の男の子が、真横に来てそんなことを言う。




「…………」




もう、スル―しよう。




無視してテレビの前に移動する。




ソファに座ると、茶髪の男の子があたしの隣にすべりこんできた。




「顔、かわいーじゃん。彼氏いんの?」




いるって言えば、この状態から逃れられるのかな。




この場で郁実の名前を出してもいいけど、居候っていう立場だし、言っていいのか迷うな……。




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