学校一のモテ男といきなり同居
「今回のCMで、やっと努力が報われる。ウチの事務所的にもそうだし、郁実ちゃんも大きく飛躍できそうだよ」




そうだよね、郁実が出ているCMはかなり注目を浴びている。




星野さんも、目を輝かせて大きく頷いている。




「あたしは、ただ今日呼ばれただけで…連れもどすなんて、そんな」




「なら、安心した。メーカーにも、出演してるタレントが誰なのかっていう問い合わせが殺到してるらしい。

ウチの事務所にも雑誌の取材や、ドラマの話もきてるみたいだし、これからはメディアへの露出も増えるだろうね。楽しみだな」




「そんなに反響があるんですね……」




「あぁ。こういうときって、できればスキャンダルは避けたいから…今日逃げたヤツを殴った話が表に出なきゃいいけど……」




ドキッ。




その原因を作ったのは、あたし?








「ま、郁実ちゃんの仕事も上向きだし、経営の方はそれで軌道に乗るかも。心配しなくていいよ」




星野さんがにっこりと微笑む。




安心する場面なんだけど、なんだかモヤモヤが晴れない。




しばらくして、高木さんだけが別室から戻ってきた。




あれ……



郁実は、どこ?



キョロキョロしていると…。



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