学校一のモテ男といきなり同居
「郁実ちゃんには、俺から話す。高木ちゃんが倒れないかって心配してたのは、郁実ちゃんだよ」




「郁実が……そっか」




高木ちゃんはすぐに笑顔を浮かべ、俯いた。




その表情は、幸せに満ちている。




そしてモヤっとするあたし。




こんなことでいちいち妬いてたら、ここにいれないよ…。




「ごめんなさい…あたし、受験生なんで勉強しなくちゃ…」




「えっ、そーなの!?あ、そっか~。郁実とタメだっけ…あたし、勘違いしてた。郁実はあと1年あるもんねぇ…そっか、忙しいよね」




高木ちゃんの言葉に、耳を疑った。












「あと1年って?」




「郁実、今2年生なの。卒業まであと1年以上あるから、真央ちゃんもそうだと思った」




「2年!?」




「留年しちゃって、まだ2年生なの。勉強も、あたしがみてるから今年はなんとかなりそうだけど、今から忙しくなるからどうかな。

あと1年で必ず卒業するって、お父さんと約束してるしね」



「約束……?おじさんに勘当されてるんじゃないんだ!?」



そういえば、昨日の電話で1年で卒業できるようにみたいなことを言ってた。



あの話は、ホントだったんだ。




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