学校一のモテ男といきなり同居
高木さんを部屋に呼んだ状態で、寝ちゃうって…郁実も無防備過ぎない?




なんだか嫌な気持ちになるけど、毎日バイトと学校と仕事、それにあたしのストーカー対策で疲れてたんだから、仕方ないよね。




「嫌だなぁ…星野さん、知ってたんだ。みんな寝た後だったから、気付いてないんだと思ってた」




高木さんがなんだか恥ずかしそうに、呟いている。




「知ってたさ~、怪しいなって言ってて…いやいや、そうじゃないな。アハハ」




あたしを気遣っているのか、星野さんが慌てて訂正する。











「もぉ、ヤダ。全然そんなんじゃないよ。部屋を出る音で郁実が起きちゃうといけないって思ったの。

あと、夜中に郁実が抜け出すときがあったから…それを防止するためにもね」




夜中に抜け出した理由は、ストーカーの件であたしの家をパトロールしていたせい?




そうだとしたら、あたしはまた郁実に負担をかけていたことになる。




「たまに朝帰りして、ボロボロの体で学校に行くんだもん。そういうときって確実に体調が悪くなって、オーディションがあってもホント最悪の結果。

タレントの体調管理もあたしの仕事だから、郁実の身勝手な行動をやめさせたいんだよね」




高木さんは、あたしより郁実のことをわかっているのかも。




実質、あたしが郁実と過ごした期間はほんの3ヶ月ほど。




それに比べて、高木さんは……




1年間、郁実と寝食を共にしたことになる。




なんだか、どっちが彼女なのかわからなくなるよ……。




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