学校一のモテ男といきなり同居
「それで、見つかったんですか…?」




「ううん…みんなスケジュールが埋まってて。ゴメンね……実はさっき、郁実くんの胸借りちゃった……」




高木さんが申し訳なさそうに、あたしを俯きがちに見上げる。




「え……」




「ウチの事務所、ギリギリのところでやってるから、失敗すると後がないの。だから今回も、逃げたあの子がいないとキツくて…。

そのことで、ちょっと弱ってて…泣いちゃったの。でも郁実くんがずっと慰めてくれた…」




ズキッ。




郁実なら、そうするはず。




優しく抱きしめて…髪を撫でて……って、想像しただけでこっちが泣きそうになってくる。











「いつも、あたしの捌け口になってくれてるんだよね……誰にも言えない愚痴を、いっぱい聞いてくれる。

お金にならないような仕事でも、快く引き受けてくれるし、ウチの事務所がもってるのもホント郁実くんのおかげなの」




「そうなんだ……郁実は、優しいから……」




高木さんは、素直な人なんだろうね。




きっと、あたしを困らせるつもりで言ってるわけじゃない。




郁実に素で接しているように、




ただ、ありのままを話しているだけなんだよね…。



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