学校一のモテ男といきなり同居
「バカじゃないの?」




思わず、言ってしまった。




1年経っても、あたしは全然かわいくない。




っていうか、郁実相手だと、どうしてもムキになってしまう。





「お前が都合つくときは、俺に合わせろ。こうでもしなきゃ、会う時間が作れないから」




静かに話す郁実は、あたしの、『バカじゃないの?』をスル―。




郁実の方が、大人になったみたい……。




さっきまで不安に思っていた気持ちを、全て消してしまうかのような言葉。




あたしと会いたいから、こう言ってくれてるんだ…。




「だけど、もう遅いし……」




「関係ねーじゃん。まだ抱きしめてない……会わなきゃ、俺だって帰れねーよ」




どうしてこうも、郁実はあたしをドキドキさせるの?




キツいスケジュールの中、自分だってしんどいはずなのに…




そうまでして、会う時間を作ろうとしてくれるなんて。













「……責任とってね?」




「……は?」




「終電逃したら、帰れないよ。今日、泊まっていってもいいの?」




高木さんのいるあのアパートに戻るのは、気が引ける。




だけど…もう、後に引けない。




「そのつもりだけど」




当然のように言う郁実に、さらにキュン。




今日あたしは…興奮しすぎて、眠れないかもしれない。



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