学校一のモテ男といきなり同居
俺が一番したいこと
改札を出ると、目の前に郁実が立っていた。




「勝手に帰んな、バーカ」




「バ…バカって!」




文句を言おうとしたら、そのまま抱きしめられた。




「よかった……なんかあったらって、心配だった」




ギュッとされて、心のわだかまりが解けていく気がする。




「大丈夫だって言ってるでしょ……もう、ストーカーもいないし……」




「それでも、心配。ココ、あんま治安良くねーし。夜は出歩かない方がいいんだ」




「えっ、そうなの!?」












「ああ、昼間は大丈夫だけど…風俗のスカウトとか、ホストクラブの呼び込みやってて…お前声かけられなかった?」




「さっ、されるわけないじゃない!!なんであたしが…」




「お前かわいーんだから、絶対変なヤツに声かけられる。現にこれまでだって、そーだったろ」




ここまで来る間、怪しい人は見かけなかったけどな。




それに、かわいいって…全然そんなことないのに、郁実があまりにストレートに言ってくるから照れちゃうよ。




「夜の商売なんてあたしとは無縁だし」




「そーいうヤツほど、引っかかる」




「なわけないし!」




「ここで言い合いしてても仕方ねーな、俺の部屋に帰ろ」




コクリと頷き、郁実と一緒にアパートに戻る。








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