学校一のモテ男といきなり同居
「え~、あたしだって、夜遅く、駅から事務所までひとりで歩くことあるのに。アハハ、大げさだよ」




高木さんが笑い出すと、郁実がピシャッと言い放った。




「お前と真央は違う」




その言葉に、高木さんの顔から笑みが消えた。




そして、郁実はあたしの手を引き歩き出した。




「さっきの続き、俺の部屋で…しよ」




ドキッとすると同時に、高木さんの視線があたしに突き刺さっているのを感じずにはいられない。




郁実は前を向いているから気がついてないけど、振り返ると、




高木さんが思いっきりあたしをニラんでいた。




うわっ……。













やっぱり……高木さんは、郁実のことが好きなんだ。




「むっ……迎えに来てくれたし、一緒に帰ろうよ」




あたしが立ち止まると、郁実も立ち止まる。




そして、高木さんと一緒に帰ることになった。




郁実を挟んで、3人で歩く。




終始無言。




……あたし、選択を間違った?




やっぱりふたりで帰った方がよかったのかも。





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