学校一のモテ男といきなり同居
そして郁実は、もう一度視線を高木さんに戻した。




「コイツのこと、マジで大切なんだ……この1年必死だったのも、全部コイツのため。

なのにさ、結局ツラい思いさせてばっかで」




「だからって……事務所まで辞めなくても!郁実、ヒドいよ。さっきだって、あたしのこと支えてくれるって言ったよね!?」




高木さんは、わからないといった風に首を横に振っている。




さっきっていうのは、男の子が出て行ったあとに別室に入って話してたときのことなのかな。




「それは、一緒に仕事をしていく上でってことだから。目的が違うなら、一緒に働けない」




目的が違うって、どういうこと?




あたしがキョトンとしていると、高木さんの顔が強張った。











「何言ってるの?あたしは郁実を必死でマネジメントして…」




「そう思うなら……俺を陥れるようなこと、するなよ」




郁実が高木さんをキッとニラんだ。




「なっ……何のこと?」




「撮った写真をどうするつもりだった?自作自演で脅されたフリでもする?それとも……」




写真……って、まさか。




さっきのキス……?




わからないけど、咄嗟に浮かんだのはそのこと。




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