学校一のモテ男といきなり同居
「うっせ。だから辞めるっつってんだろ」



郁実の口調も、悪くなっていく。



お互いがニラみ合っていて、部外者であるあたしはただ見ていることしかできない。




「契約書だってあるの。勝手に辞めることは許さない」




「そんなの、どーにでもなる」




郁実は高木さんと目を合わせようとしない。




だけど高木さんは郁実をニラむように見続けている。




「ならないの!社会のルールを守りなさいよ、どうしても辞めるっていうなら、。違約金を支払ってもらうわ」




「……は?」




「郁実との契約は3年だったから……今きてる仕事の分、これからする予定のもの、全部合わせると莫大な金額になるけど」




「わかった。金で解決できるなら……それでいい」




「なっ……」




郁実が認めると思わなかったみたいで、高木さんは言葉を失っていた。












「真央、行こう」




郁実は、高木さんを振り返ることなくあたしの手を取る。




そして、そのままアパートを出た。



< 887 / 978 >

この作品をシェア

pagetop