学校一のモテ男といきなり同居
「でもさ、アイツ…あんな写真撮って……」




「まだ売れてもないのに、週刊誌に持って行ったって話になんないよ。あたしと郁実のキスが、羨ましかったのかも。今頃、写真見ながら悔しがってるかもね」




「よく言う…」




郁実があたしのおでこを、ツンと突っつく。




「あんな写真撮られてマズいって思うことは、郁実だってタレントとしての立場を自覚してるんでしょ?

高木さんは、郁実はいつか問題を起こすって言ったけど…あたしはそうは思わない。あたしたち、これからもずっと付き合っていけるよね……」




「あたりまえだろ、俺が真央を離すわけない」




また、ギュッと抱きしめられる。




郁実の胸の中……すごく、安心する。




想われてるって、実感できる。




離れていたときは不安になったりしたけど、郁実の気持ちを確認した今は…もう、大丈夫。
















「あたしたち…しばらく、会うのやめよ」




思い切って、そう言ってみた。




別れるより、全然マシ。




今はとりあえず、高木さんの怒りを鎮める方が先だよね。




あたしを抱きしめたまま、郁実がため息をつく。




「ハーッ……マジか。そうくる?」




案外驚いてない様子。




郁実のことだし、毎日会いたいとかそーいうタイプじゃないもんね。




だけどその反応を見ると、少しはショックを受けてるのかな?



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