学校一のモテ男といきなり同居
「高木さんには別れたことにしよ?じゃなきゃ、どんな手段であたしたちを引き離そうとするかわからないし」




「……まーな」




「だけど、約束して……相談があるって言われても、部屋でふたりっきりになったり…そういうのは、ヤダ。

ないって信じてるけど、間違いが起こることもあり得るから……」




「バーカ……ねぇよ」




コツンと、頭を軽く小突かれる。




「わかってるけど、怖いの。起こる前のことを恐れて、不安に押しつぶされそうになるから…ここで、あたしに誓って?

絶対に、あたしが悲しむような結果にならないって」




「わかってる……」




抱きしめた体勢のまま、あたしの髪にゆっくりと顔を埋める。




郁実の息遣いが、耳もとで聞こえてドキドキが増していく。











「俺には…お前だけだって、何度も言ってんじゃん。他の女なんか、目に入らない」




「うん……」




「約束する。3年後に、必ず真央を迎えに行くから。それまで、待ってて」




「…………」




郁実への返事に、頷くことしかできない。




だって、喋ったら…泣いちゃいそーだから。




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