学校一のモテ男といきなり同居
「聞いてたけどっ……だけど…」




聞き間違いだったら、ホント最悪。




何を期待してるんだって、話だよね。




「もっかい、言ってやろーか?」




どこまでも、上から目線。




それが、なんだか悔しい。




「いいよ…別に…」




「聞きたいだろ?なぁ」




「もういい!郁実のバカ」




「は?バカって何だよ、せっかく俺が……あーもぉ。これから先が心配だなー、電話だけだとお前が意地張り出したら、どうしようもねーな」




「あたしが悪いっての?」




口を尖らせて怒るマネをするけど、郁実は笑っている。











「もうケンカ、したくねーから……素直に言う。真央のこと、大切にしたい。だから、そのために…今頑張る。

少しの間、離れるかもだけど…気持ちは、ずっと一緒だから」




手を握り、ジッと見つめられる。



真剣な眼差しに、あたしの心も絆される。



「郁実……あたしも、同じ」



「だろ?もう、ケンカはやめよ。俺もからかうの、やめるようにする。本音で対話しよーな」



「うん…大好き」



今日何度抱きついたんだろうってぐらい、また郁実にしがみついた。



郁実もギュッと抱きしめ返してくる。



あたし……最高に、幸せ。




< 894 / 978 >

この作品をシェア

pagetop