学校一のモテ男といきなり同居
「はい…」



「おい、今大丈夫か?」



「はい」



「今から言うところに、明日朝8時に行ってくれ。場所は…」



あたしは急いでメモをとる。



社員5人の小さな事務所ながら、やり手の社長でどこからかたくさん仕事をとってくる。



契約してるのもあるけど、突発的なのも多くて、こうやって思いついたときに電話がかかってくるの。



「絶対に忘れるなよ」



「忘れません!任せてください」



新人のあたしにも、誰かの補佐じゃなくきちんと仕事を与えてくれるところは、信用されていると思ってもいいのかもしれない。



ちょっとワンマンな社長だけど、アシスタントばかりでなかなか実務をさせてもらえないところよりは、やりがいもあるし、いいのかも。



自由な社風も、あたしの性格にも合っているしね。








電話を終えて、友ちゃんのところに戻る。




舞台では次のアーティストが演奏を始めていた。




「社長から?なんだって?」




「明日の仕事のことで…」




「そうなんだ~。真央のところの社長、イケメンだよね。大人の男って感じで、カッコい~し。実のところ、どういう関係なの?」




「えっ?」




演奏の音がうるさくて聞こえないのもあるけど、友ちゃんの質問に耳を疑いたくなった。



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