学校一のモテ男といきなり同居
「だから~、男と女の関係なのかって聞いてんの!」




「なわけないし!友ちゃん!?」




「だって~、経験もない真央が雇われたのは絶対にタイプだったとしか考えられないよ!社長の独断で選ばれたんでしょ?」




「タイプってそんなんじゃないし!あたしの将来性をかって…」




「そうなの?昨日だって飲みすぎて、社長の車で家まで送ってもらったんだよね~。部屋に入れたの?そのときは、何もなかったの?」




「断じてありません!!」




「一人暮らしの女の家に送るって、送り狼以外の何物でもないしっ」




友ちゃんはなんだか嬉しそう。




自宅から事務所までが遠いから、一人暮らしを始めたんだけど…社長にそんな気あるわけないし。



昨日だって、会社の飲み会であたしが勝手に酔いつぶれただけ。



社長は超クールな人だし、同じ方面だから送ってくれただけで、いい雰囲気とは縁遠い。








「郁実くんもいいけど、チケットだってただ送ってきただけなんでしょ?事務的すぎ」




うっ……。




「そっ……それは」




そうなの。




郁実とは付き合ってる……はずなんだけど、連絡をとるのもほんとにたまに。




返事も遅いし、内容が噛み合ってないときも正直多い。



リアルタイムの悩みの返事は期待できないし、解決した頃に連絡があったり。



その辺のズレは、仕方ないと思いつつも。



確かに今回のチケットは、シンプルな封筒にチケット4枚だけが入っていた。



一筆すら、なし。



忙しいのはわかるけど、それには正直、寂しいなーと思っちゃった。





< 914 / 978 >

この作品をシェア

pagetop