学校一のモテ男といきなり同居
「ハハッ、マジでそーいうのするヤツいるんだ?」




うっ!





郁実のドラマの見すぎ?





この前、相手役の女優さんがやってたんだってば……。





けど、舌を出してベーッてあんまりしないよね。





マズかったかなと思っていると、郁実があたしの前に立った。














「なんだよー……そーいう変な行動すんな。記憶に残るじゃん」




「そう言われても……」




「いつも、別れたあと……ずっと、真央のことが忘れらんない。何度も、何度も会話を思い出してる」




思ってもみなかった言葉に、息が止まりそうになった。




「郁実……が……?」




寂しかったのは、あたしだけじゃなかった?




「想いが強い分、仕事に影響するし……何度、相手役の子に真央って言いそうになったか」




そう言って、いつものようにヘラッと笑った。




「バカ……絶対、間違えないでよ。真央は、あたしだよ」




「ん、わかってる。切り替えるのが下手で、困る。いつも、仕事モードに戻るまで時間かかるんだよな……」




「あたしのことなんて……すぐに忘れて、楽しく仕事してるんだと思ってた。郁実も……そう、なの?」




「あぁ、だってさ。こんなかわいー彼女、ひとりで返すとか……気が気じゃねーし」




郁実に見つめられて、恥ずかしくて俯いた。




そしたら、




扉を背にして立っていたあたしの頭の横に、郁実が勢い良く手をついた。




ひゃっ……




これは、もしかして……壁ドン!?




ドキドキなシチュエーションに、心臓が一気にヒートアップ!




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