学校一のモテ男といきなり同居
「なにかの冗談!?」




照れもあってそう言ったら、コツンとおでこを小突かれた。





「なわけねーだろ。口約束、とか言うからさー……形にしておきたいなと。こんなの渡すこと、もう一生ねーから」





照れてるのか、郁実があたしから顔を背けた。





いつも散々甘い言葉を吐きまくってるくせに、





こーいうときは、照れるんだね……。





そういえば、





郁実は、以前からそうだったよね。












「もしかして、さっき待たされたのって、これを取りに行ってたの?」





「おー。停めた場所から、店が思ったより遠くてさ。ホントはサイズとか迷ったけど、カンで選んできた」




「そうだったんだ……」




「サイズ直しもできるから、悪いけどあとで店行って」




「うん……ありがとう。ねぇ、バレなかった?」




「そーいう心配、しなくていーから。つけてやろーか」




箱を持ったままリングを眺めるだけのあたしに、




郁実がそっと囁く。




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