学校一のモテ男といきなり同居
この声!!




振り向くと、しかめっ面をした社長があたしの後ろに立っていた。





うっ……もしかして、さっきのエンジン音は……。





「お……はよう、ございます」





「どうした、いつもの元気がないな」





「あのー……」





見てました?なんて聞きづらい。





「予定よりかなり早いな。珍しいじゃないか」




シレッとしているあたり、見られてなかったのか。




……ホッ。











「いつも早めに来てますよ!社長が知らないだけです」




プイと顔を背け、先に行こうとすると。




「知ってる。ウチの面接のときも、かなり早く来てただろ?」




ドキッ!




「知ってたんですか?」




緊張しているのと、落ち着かないのとで、じっとしてられなくて。




面接の時間の1時間前から、会社の前でウロついてたから不審人物に間違われたのかな!?




「まぁな。決められた時間を守るのは、この仕事では必須だ。そして、きちんと相手の目を見て話をする。そういう当たり前のことが、できないヤツは俺はムリだ」




「……なにが言いたいんですか?」





社長、いきなりそんなこと言い出してどうしたんだろう。





「技術面では未熟なところも多いが、俺の中の条件を全てクリアしていて、全体的にバランスが取れていそうに見えたから三沢を採用したんだ」




「社長、いきなりどうしたんですか?」




ホント、なにが言いたいんだろう。




キョトンとしていると。




「そんなお前が、あの手の男に引っかかるとは……」




……え。



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