チョコよりも甘く
どうしよう…
あたし1人じゃ、保健室まで運べないし…


「玲汰…起きてっ」

玲汰の反応はなかった。
というよりすごい熱だった。





そして紗姫は、思い切って龍斗に電話をかけた。




プルルルルッ、プルルルル、プルルッ―――。


(もしもし?)


電話ごしに聞こえる龍斗の声。


「今朝はごめんなさい。…えっと、それで、とにかく。屋上に来て欲しいの!!」


(わかった。すぐ行く)




ピッ―――



あたしはズルイ。
散々龍斗を傷付けたのに、あたしはすぐ龍斗を頼る。
こんな最低な女でごめんね、






タンタンタンッ…ギイイ――


龍斗は電話を切って、すぐにきた。




「…お前、玲汰と一緒だったのかよ…」

龍斗は驚いたように言った。

込み上げてくる罪悪感。
あたしはその時、胸にしまいこんだ。




「う、うん…理由は後でちゃんと話すよ?…それより、玲汰がすごい熱なの!」

紗姫は必死に伝えた。



そして、玲汰とのキスは事故…
あたしはそう思いたかった。



「わかった。」

龍斗はそう言うと、玲汰を負んぶした。

その姿はすごく、すごくかっこよかった。
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