チョコよりも甘く
「誘ったこと…ないもん。」

あたしにはよく意味が分からなくて。誓わせたのはよくても内容にいまいち納得がいかない。


「ふーん、あっそ。」

玲汰が遠い目で見つめた。


「なっ、何よ!!?」
あたしは玲汰を軽く睨む。


玲汰は何も言わなくなった。




あたしはスカートの裾を整え、ベットの反対側にあるソファに座った。








玲汰は自分のいるベットのカーテンを閉めた。


それに何の意味があるのか、鈍感な紗姫には分からなかった。いや、敏感な人でさえも分からなかったやもしれない。

玲汰は本当は、死にたくなるほど悔しかった。

自分の愛する紗姫と、親友の龍斗。

二人が愛し合っている所を直接耳にしてしまったのだから。






玲汰はやりきれない気持ちでいっぱいになった。








その溢れるほどの思いは、涙となって頬をつたった。
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