チョコよりも甘く
3人は何とも言えない複雑な気持ちを抱きながら、それぞれの教室へと戻っていった。



5時間目がもうすぐ始まる――――。






紗姫は授業の準備をし、携帯を開いた。

受信ボックスにメールが来ていたので、こっそり見てみた。





葵からだ…。


≪今検査終わったよ!!やっぱりあたし、妊娠してたみたい…今日の夜電話するね★≫




紗姫はそっと携帯を閉じた。





「起立…」



号令係に促され、みんなが立った。
紗姫も遅れて立ち上がった。





「礼、…着席」


椅子に座り、紗姫は外を眺めた。




今日は雲1つない青空…
あたしの気持ちとは真逆だった。






ふと、龍斗の言葉を思い出した。



≪中井、片つけてきた≫




きっと龍斗は、葵の代わりに怒ったのだろう。

中井くん…認めてくれたかな?
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