チョコよりも甘く
「お前、中井のこと許すのか!?…こいつ田山の他にも女いんだぞ!」



龍斗は目を大きくして言った。


確かに中井くんはいけないけど、そんなことしなくたって…




「龍斗には女の子の気持ちなんて、わからないよ…」



紗姫は力が抜けたような表情で言うと、その場から走り去った。





「…紗姫っ!!どこいくんだよ!?」



そのまま走り、紗姫は校舎へ入っていった。







もし、あたしに龍斗の赤ちゃんが出来たら…



中井くんみたいに言ったとしても…



あたしは……龍斗を傷付けたくない。




そして愛する人の赤ちゃんを産みたい。


あたしは龍斗を愛しているから。







その時、葵の気持ちがわかったような気がした。



紗姫は重い気持ちを抱えながら、保健室へと向かった。
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