チョコよりも甘く
「紗姫、お前…」


玲汰は口を離し、驚いたように言った。


紗姫は我に返り、手で口を押さえた。
自分の罪に気付くのが遅かったのだ…




「ご…ごめんなさいっ」

涙が溢れた。そして、ずっと止らなかった。
玲汰は何も言わずに頭を撫でた。





きっと紗姫の辛さに気付いたのだろう。






「とりあえず、別のとこ行こうか。」

玲汰は紗姫の肩を支えた。


「うん…」


紗姫は肩にある、玲汰の手を握った。












ガラッ―――



























教室を出ると…龍斗が反対側のドアに、もたれ掛っていた。











「様子がおかしいと思ったら、こーゆうことかよ。」



龍斗は呆れていた。
怒るかと思ったのに、ずっとあたしたちを冷たい目で見ていた。









「勝手にしろ。」

そして、そのまま廊下を歩いていった。























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